VX-3R買いました

 見た目がVX-3そっくりさんで中身は430MHzの5,000円トランシーバNKT-R3をいじっていたら、本物VX-3を味見してみたくなったのである。


2011年9月現在でVX-3の価格を調べたところ、秋葉原で21,800円という店舗があり、国内通信販売店で22,800円という店があった。円高なので米国の店も調べてみたところ、Ham Radio Outletという店では、179.95ドルで今なら10ドルのメーカ割引が適用されて169.95ドルだった。単三乾電池ケースやソフトケースなどのオプション品も米国の店の方が安いことが分かったので、Ham Radio Outlet (HRO)社へ注文する事にした。ADMS-VX3は日本国内では販売されていない。たかがUSBケーブルとメモリ管理ソフトに48.95ドルは少々割高感があるが是非必要な機材だと思い注文した。

HRO社のサイトで注文を確定したところ、すぐにメールでInvoiceが送られてきたが、送料が未定だった。そして、海外からの購入の際の確認メールが来たので処理しておいた。次の日には、送料がUSPSのExpress Mailで52.50ドルに確定し、合計309.30ドルと書かれたInvoiceがメールで届き確認した。決済は、PayPalを利用した。24,384円で決済できたので、1ドル78.8円の勘定だ。米国に滞在しているときに購入すれば、州で定めている率で消費税がかかることになるが、日本への輸出なので、この時点では未だ課税されない。

VX-3R $169.95
FBA-37 (単3×3本乾電池ケース) $20.95

CSC-92 (VX-3/VR-160用ソフトケース) $16.95
ADMS-VX3 (YAESU純正USBケーブル&メモリ管理ソフト) $48.95
Cart Sub Total: $256.80

Shipping:         $52.50

Total:              $309.30   


途中に9月5日(米国の休日)と週末が入ったこともあり、注文からおよそ10日で手元に到着した。途中日本の税関で、12,318円分に対して4%の消費税と400円分に対して25%の地方消費税が課せられて税額合計が500円となった。不服がある場合には申し出せよとのちらしが入っていたが、500円はリーズナブルだと考えて、構わないことにした。配達は郵便局からで配送料は200円だった。24,384円+500円+200円ということなので最終的に25,084円でこれらの商品を入手できたことになるので、電車賃をかけて秋葉原で購入してくることや国内の通販ショップから購入して宅配料が加わるよりも千円ちょい安くあがったと分析できる。

千円ちょいを節約するために、PayPalとかクレジットカードとかの決済手段を必要とすることや、10日も待つこと、トラブルがあった場合には英語で文句を言わねばならないこと、取扱説明書の冊子が英語(日本語版PDFをダウンロード可)であること、保証書が米国及びカナダでのみ有効でその他の国の場合は相談せよという扱いであること、手続き的には、少なくともこれらの煩雑さを覚悟しておかなければいけない。そのうえさらに、配慮が必要なことがある。それは、米国と日本との間にはアマチュア無線の相互運用協定があり、特別な申請なしに、しかるべき適切な運用を行って良いことになっているのだが、免許制度そのものに、米国は包括免許なのに対して日本は包括ではないという根本的な違いがあるということと、日本のアマチュア無線の周波数帯域幅が米国よりも狭く尚且つバンドプランが必ずしも一致しないという差があるため「しかるべき適切」の定義がよくわからないという状況であることに配慮が必要となる。もとの定義がよくわからないことに対する配慮なので、何を配慮すればよいか、具体的には不明となる。

VX-3購入動機が、いわゆるQSOの為だった場合には、日本国内で日本仕向け品を入手して電波を出すのが賢明なのは自明である。小生の興味は、VX-3を購入してQSOに利用することではない。むしろ、前述のからくりとか、免許制度が違う相互運用協定の運用という矛盾とか、バンドプランの違いとか、製品の仕向けによる外部仕様差への対応方法の実際などに大変興味があるのだ。また、製品自体については、多機能をいかなるユーザインタフェース(操作手順)としてまとめてあるのかについて大変興味がある。それらの事柄について、製品を手にして考える事、そういう道楽分野も、最近のアマチュア無線には、あるのだ。

話が逸れるが、ノキア全盛だった頃の多機能を競っていたフィーチャーフォン端末もしかり、アップルとアンドロイド全盛のスマホ端末もしかりである。電話で話すとかメールするとかウェブサイト見るとか、そういうのでなく、携帯電話キャリアのもうかるからくりや1円とか0円端末の不思議とか、SIMロックの背景とか、そういった事を、製品やサービスを手にして考えることを道楽とするという分野の話である。そういう考えをしていると、細部に宿っている神に会える。それが楽しい。道楽である。

VX-3について、細かい所を、このブログに備忘録しておく。

【箱】
箱には、VX-3Rとあるが、箱の横面に貼られた、バーコードとMODEL詳細が印刷されている白いシールには、次の印刷があった。
 MODEL: VX-3R
 DST: USA
 TYP: A2
 EAN: AH028M002

【本体】
保証書のModel名称にはVX-3Rとタイプしてあった。取扱説明書は、VX-3R並びにVX-3Eの両用であり、最後のページにはModel NumberとしてVX-3Eと印字してあった。VX-3R本体の電池を外したところにあるシールは、VX-3Rと印字があった。
米国の店から購入すれば、米国版であることは間違いなかろう、そしてTYPはB3に決まっていると思っていた。たしかにDSTがUSAになっているし、受信周波数の設定可能範囲を取扱説明書と照らし合わせると米国仕向けである事は確かであるが、TYPがA2である。英文取説の12ページにあるOperating Bandを見ると、USA版/EXP版/EU版の三つの版があるようだ。ただしEXP版とEU版とは全く同じ。ちなみにEXP版のTYPがB3の模様。
USA版のVX-3Rのバンド8の上限が774MHzなのに対して、EXP版とEU版はそれが800MHzであるところが取扱説明書の表の中で唯一違うところであった。小生が購入したVX-3Rの実際に設定できた受信周波数は、774MHzを超えなかったので、USA版なのだと思われる。ところがだ、420MHz~450MHzが米国仕向けであるはずなのに、実際の設定可能な送信周波数は430MHz~440MHz(日本や英国など)になっている。メーカ値引きと称して、他のショップより10ドル安くVX-3Rを売り出していた理由は、実はこれだったのに相違あるまい。米国に居るときに米国免許で使う為に購入する際、こういうことがあるので、要注意だと言ってよいだろう。
TYPがB3でないので、次の手順に従ってもF3(日本語モード)にはならない。具体的に言うと下記のステップ4にならないのである。
1. Set mode 19-CWID to AH028M
2. Power off
3. Press and hold both MODE key and TXPO key, then power on
4. Operation modes for your choice (B1, C1, F1, ***, HAM, H1, A1, etc.):
5. Turn the dial and press MODE then press F/W to set.
6. Your rig is now operates on a new mode.
日本語モードにする事ができないので、「B3からF3にモード変更したケースにおいてモールス練習機能に和文モールスモードが登場する」かどうかが未確認なので、もしも、それを確認しておられる方がいらしたら、是非知りたいので教えてくだされば幸いである。

インターネットをGoogleして、VX-3Rのサービスマニュアルを見つけたので、ダウンロードし、眺めてみたところ、小生が購入したVX-3Rのメイン基板回路図にあるLSIのQ1095 (HD64F2266TF13)のピン番号28(SELECT1)に接続されたジャンパーJ1001がGNDに落とされていることがわかった。これを回路図にあるとおりオープン(ジャンパーを取りさる)にしたのち取扱説明書にあるとおり(Power Off, Hold [MODE] + [V/M] Power On, Press [F/W])リセットコマンドを実施すると、144~146MHz/430~440MHzだった送信可能範囲が、140~174MHz/420~470MHzになったので、ジャンパーを元に戻しておいた。

ADMS-VX3にてバンドのcurrent周波数をいじったところ活性化したと記憶しているが、ADMS-VX3の必要性は、勘違いだったかもしれないが、インターネットに転がっていたPDF(URLは、http://www.kb2ljj.com/data/yaesu/vx3e.pdf)に、Per quanto riguarda la programmazione delle memorie con software al momento riguarda solamente il programma originale della AMDS oppure FTBVX3 di un om inglese, in attesa del VX3COMMANDER aspettiamo fiduciosiというのもあり関係があるかもしれないが、イタリア語みたいだし、文書内での前後関係もあるので正確に訳せていない。

VX-3の日本語モードでないと提供されない機能がある。
- CW練習機能に和文が提供されない
- 空線スケルチが100Hzステップしか提供されない
 JR鉄道無線は2280Hzなので日本仕向けのVX-3でないとNG
- 盗聴機発見機能サーチ(スマートサーチのTAPモード)が提供されない
- 下記のスペシャルバンクのプリセットが無い
 TV専用、JR鉄道無線、特定小電力無線、救急無線、
 消防無線、 ワイヤレスマイク
 (国際VHFマリン無線、世界各地の放送、は有る)
 (日本仕向けには、WEATHER BROADCAST CHANNELSが無い)

【充電器】
NC-85Bでその定格はINPUT:AC100V-240V~50-60Hz0.25A、OUTPUT:DC6V500mAと書かれていた。ACプラグは日本型であり米国型でもドイツ型でも英国型でもない。DCプラグのサイズは、内径0.7mm、外径2.35mm、端子長10.5mmだった。
千石電商オンラインショップ→http://www.sengoku.co.jp/column/8_2.html
ちなみに、リチウム電池の充電用であるから、当然携帯電話用の充電器も技術仕様で見れば使える。たとえば、5Vであるが、ノキア用の充電器が使える、ただし、DCプラグの外径がサイズが2.35mmでなく2.00mmなので、微妙に相性が生じるだろう。小生のところでは、相性が良いようだ。相性が良い理由は、VX-3側で採用しているDCコンセント用の部品の品質が良いからである。
ちなみに、NKT-R3が採用しているDCコンセントは、VX-3ほどの対応力は無い。さすが、採用している部品の品質の差がここにある。これは、氷山の一角で、それぞれの部品の品質の積み上げが製品の品質になる。

【リチウム電池】
型番は FNB-82LI である。定格は次のとおり。
  公称容量 1000mAh
  公称電圧 3.7V
  使用温度範囲 充電+5℃~+35℃、放電-20℃~+60℃、保存-20℃~+50℃
メーカがこの製品で保証可能なの、NC-85BとFNB-82LIとの組み合わせだけで、それ以外の組み合わせは無限に可能性がある、なので消費者がそれ以外を利用した場合をメーカは保証できないのは、あたりまえ。しかし、技術的には定格が合ってさえいれば機能するのも当然であるから、自己責任で使えばよい。FNB-82LIと同様の定格と外形寸法(53.20×35.30×7.10mm)と電極位置を備えたリチウム電池があれば使えるということである。
富士フィルムのデジカメFinePix用、例えばF401などのデジカメ用と同じでよい、すなわち富士フィルム社のNP-60という型名の電池が使える。カシオのデジカメ用にもNP-60という型名のリチウムイオン電池があるが外形寸法が全然違うので要注意である。いわゆる中国製のNP-60互換品が安く(激安の場合2個で1,000円)出回っているので比較的入手しやすいが、YAESUとか富士フィルムといった日本メーカブランドでないものには、品質は期待してはいけない。リチウムイオン電池の場合、品質が悪いと、最悪の場合は爆発してけがをすることもあるので、利用する場合は、VX-3本体もさることながら、ポケットのあたりやカバンに損傷を受けるリスクをそれなりに覚悟しておくことが必要である。また、AC100~240Vのコンセントから電源をとってVX-3本体から外したNP-60リチウム電池に直接充電する装置もある(YAESU純正品は無い)ので、VX-3でQSOを楽しもうという向きには便利だろう。

【ホイップアンテナ】
付属のホイップアンテナで何も不都合は無いが、もっと短いのとか長いのが欲しい場合には、たとえば、三才ブックスの三才ムックVol.387「受信アンテナ活用ガイドブック」なども参考にするとよいかもしれない。
付属アンテナの長さは11cm、UH-322BはBNC→SMAアダプタ込みで8.7cm、SRH1は2.5cmである。下記に小生が試してみたアンテナを列挙した。どれがどうと言えるほど各バンドを程入念に調べておらず、短いとそれだけ性能が落ちる、程度の感想だ。

BNC750 (BNC)
 コメット
 7~50 MHz
RH999 (BNC)
 ダイヤモンドアンテナ
 50/120/144/150/300/430/450/900/1200帯対応&AM・FM放送対応
SRH1 (SMA)
 ダイヤモンドアンテナ社製 (富士無線で1,570円)
 120/144/150/300/450 MHz帯対応
UH-322B (BNC)
 秋月電子 500円
 430MHz帯ハムバンド

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