YSF―Peanut相互接続

F25Peanutを入れてYSF(GB-CQ-UK-YSC Room)に接続できるか試してみました。もちろんYSF(GB-CQ-UK-YSC Room)に接続するならDroidStarを使えばいいのですが、YSF(GB-CQ-UK-YSC Room)とPeanutのどこかのRoomとが中でつながっていたら面白いなと思ったので実験で確かめてみました。

図1はF25で起動したPeanutの画面です。

図1

参考までにPeanutにはWindows PC版もあります(図2参照)。

図2

ではまずは実験の準備です。

YSF(GB-CQ-UK-YSC Room)で行われるQSOを聞けるように、FT-70DをMMDVMユニットを介してYSF(GB-CQ-UK-YSC Room)へ接続しておきます。FT-70Dからは電波を出さないようにアンテナを外してダミーロードを付けてあります。iPhoneでMMDVMユニットのDashboardを表示させておきます(図2参照)。


図2

トランシーバーもアンテナもいらずにPCだけでQSOを聞いたりCQを出せるという世界もあります。QSOを成り立たせるために reflector のようなものがサーバーで動いています。この reflector のようなものの利用者をアマチュア無線局免許所有者に限るように管理することで、QSOする人をアマチュア無線という共通性を獲得しているんだと思います。

YSF(GB-CQ-UK-YSC Room)とPeanutのどこかのRoomとの橋渡し(Bridge Service)を誰かが担ってくださることで、YSFとPeanutとの間がそのRoomを介して相互運用可能になると期待できます。図4は、YSF(GB-CQ-UK-YSC Room)とPeanut(HBL27246 Room)とがBridge Serviceによって相互運用可能になっていると期待を示しているところです。Digital Voiceの流れを下の図に青色の点線で示してみました。

このBridge Serviceを誰かが提供してくださっているので、実際にYSF(GB-CQ-UK-YSC Room)とPeanut(HBL27246 Room)が、部屋の中がつながった状態になります。但し、いつで部屋の中がつながっているとは限りませんでした。つながっているときとつながっていないときがありました。勉強不足でよくわかりませんが、技術的な問題だけでなくいろいろ事情があるのかもしれません。

図4で、Node1がMMDVMでありinterface-A, interface-B, interface-Gを提供しています。interface-Aは430 MHz帯のC4FMですがFT-70D側はアンテナを外してダミーロードにすることで電波を出しません(実態は微弱な漏れ電波で通信接続する感じだろうと想定)。interface-Bは無線ルーターへのWi-Fi接続です(無線ルーターはinternetに接続していることが前提)。interface-GはNode1全体を制御しているボードコンピュータへのWi-Fiによる接続手段です(内部でinterface-Bにつながる別のWi-Fiインタフェースを提供すると同時にボードコンピュータのMMDVMパラメタ等のAdministration用Dashboardに接続)。


図4

図5に示しすのは、F25画面のキャプチャ―です。もともとのランチャーではなくサードパーティー製のランチャー("Launcher<3"とかなんとかいうやつ)に替えています。画面の一番下に並んでいるアイコンは右から順に、Zello、Peanut、全アプリ表示ボタン、EchoLink、電話アプリ、です。

図5

図6はF25で起動中のPeanutアプリの画面です。LOGINスイッチがOFF即ちLOGOUT状態にある画面です。この画面になる前には、ECHOECHO Roomに接続して自分の音声が聞こえるか試していましたのでSTATUSが「ルームを切断しました」になってコールサイン表示があるのです。

図6

Android版Peanutアプリを使っていてちょっと気になった点を以下に整理しておきました。

  1. PeanutはQSOを聞くにはLOGINする必要があります。
  2. Windows版PeanutではVUメーターの下にあるスライドスイッチで送信/受信の切替をおこないますがAndroid版Peanutでは画面上にある青いPTTボタンをタップして送信します。Windows版でもAndroid版でも送信できるのはLOGIN状態のときだけというのは同じですが、スライドスイッチかボタンかの違いがあります。
  3. F25では青いPTTボタンなのですが、別のAndroid端末(e.g. F30S)ではPTTではなくてON AIRという文字になってます。ボタンを押して送信状態にすると、F25でもF30Sでもボタンの色が赤になり中に表示される文字は右側にカウントダウンタイマー値を伴うON AIRという語彙に変化します。Peanutのバージョンは同じですが、端末が異なるとこのように少し様子が異なります。
  4. 送信にするとカウントダウンタイマーが3分(2分59秒)からカウントダウンが進みますが、送信をやめてもカウントダウンタイマーの動きが停まりません。受信を続けているうちに0分0秒にまで来るとカウントダウンタイマー値は消滅して元のボタンの様子に戻ります。すなわちF25では青いPTTボタン、F30Sでは青いON AIRボタンに戻ります。
  5. Android端末の画面をオフにしたり、別のアプリに切り替えると、Peanutは自動的にLOGOUTになります。ROOMをウォッチするときでも画面のバックライトは点灯したままですし、もしも他のアプリがフォアグラウンドになるとPeanutは自動的にLOGOUTになります。例えば、ZelloをバックグラウンドにPeanutをフォアグラウンドにしてJAPANESE ROOMをウォッチしているときに、Zelloに声が届くと、PeanutはLOGOUTします。Peanutを使うときには他のアプリがバックグラウンドに居ないようにしてからがよいでしょう。
  6. Peanutの設定ではなくて、F25やF30Sの端末の画面設定で、「操作が行われない状態で15秒経過後にスリープする」に設定してあっても、Peanutが画面上に起動している状態だと15秒経っても画面がスリープになりません。節電しません。これはPeanutがLOGIN状態でもLOGOUT状態でも同様です。
  7. Peanutをインストールする際マイクデバイスの許可を求められたとき、許可してあげないと、送信に関係する機能が作動しない場合があるようです。
  8. PeanutにはAndroid端末が提供するハードウェアボタン(例えばPTTボタン)をPeanutアプリ用PTTボタンとして利用する機能(LEARN KEYボタン)が設定画面にあります。この機能を利用してAndroid端末の当該ボタンをPTTボタンとして設定すると画面上に存在する大きなPTTボタンの方は反応しなくなってしまうにもかかわらず画面上に存在し続けるという仕様です。
  9. Bridge Serviceの都合なのであろうと推察しているところですが、
    Peanut(HBL27246 Room):JG1UPS→YSF(GB-CQ-UK-YSC Room)
    のとき、YSF側にJG1UPSと通知されるときとMB6ERと表示されるときがあります。
    YSF(GB-CQ-UK-YSC Room):JG1UPS→Peanut(HBL27246 Room)
    のときPeanut側に先方が名乗るコールサインが表示されるときとMB6ERと表示されるときがあります。

上記の項番9についての追加調査です。

MMDVMのDashboardで観察すると(図8)、いま KO4OIB が TX(送信中)ですので、MMDVM側でもPeanut側(F25で稼働中)でも KO4OIB と表示されるのが自然の流れだろうと思います。下の写真のとおり、実際そうなっています。これが普通のときの状況です(図7)。

図7


図8 MMDVMのDashboard

図9では、M0VYCが送信中です。MMDVM側ではM0VYCと正しく表示されていますが、Peanut側ではMB6ERと表示されてます。Peanut側にもM0VYCと表示されるハズではなかろうかと思いました。

M0VYCが送信中はPeanut側にはMB6ERと現れます。いま交わされている今回のQSOに限った現象なのかそれとも別の機会でも同様に発生するのかは不明。勉強不足なので分かりません。

図9

FT-70DのPTTを押すことで、MMDVMを介してYSF(GB-CQ-UK-YSC Room)にアクセスします。MMDVMのDashboardをモニターしてその様子を観ると、図20に示す通り、ビットエラーレート(BER)が0.3%のLocal RFとして示されています。そしてもちろんMMDVMの液晶モニター画面にはJG1UPSの日の丸表示が現れます。

図20

今度は、F25で、Peanutアプリを起動LOGINし、HBL27246 Roomにセットした状態でF25のPTTボタンを押しますと、internetを介してPeanutのreflectorにアクセスがいきます。HBL27246 RoomはYSF(GB-CQ-UK-YSC Room)にBridge Serviceを介してトランスペアレントになっているので、MMDVMのDashboardをモニターすることでその様子を観ると、図21に示す通り、ビットエラーレート(BER)が0%でTargetのデジタルスケルチDG-ID 0として示されています。MMDVMの液晶モニター画面にはJG1UPSの日の丸表示が現れます。

図21

このように、Bridge Serviceでトランスペアレントに相互運用可能になっているRoomは多くは存在していないような感じですが、存在するのはありがたいと思います。小生にも見つけることができたのは、いまのところ、YSFのGB-CQ-UK-YSC RoomとPeanutのHBL27246 Roomとの関係だけです。


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