Network Radio; Juniwa F25 ; PoC

F25と呼ばれるPush-to-talk over Cellular (PoC) 端末を入手しました。

ALPS F25, JUNIWA F25, GOT F25, SURE F25, Broadnet BN-01+, GQT F25, ZELLO Phone 2 という呼び名もあるようです。

たぶん大方の部品がほぼ同じだから、見た目は酷似しているのだけれども、個別にみると、とある機能が存在したり存在していなかったり、ソフトウェアが少し違っていたりと、いろいろ変というか柔軟過ぎる対応がなされている模様でして、それゆえにか、それ相当に価格付けがなされて市場へと提供されている模様です。F25でNFCが付いた派生は無い模様です。

小生が入手したF25にNFCハードウェアは搭載されていませんが、設定機能だけ生きていました。

F25の特徴は、なんといっても見た目です。いかにもトランシーバーという感じのたたずまいをしているところが素敵だと思いました。

仕様の概要は次のとおりです。

1) アンテナはプラスチック製で本体へ取り付けるための金属製のネジが突き出ていますので自分で本体へ取り付けます。このアンテナは飾りでありましてアンテナとしての電気的な特性は無いと説明書きがありました。

2) CPUはMTK6735M(64 bit クアッドコア, 1.3GHz, GPUはMali-T720

3) RAM 1GB, ROM 8GB

4) ハードウェアPTTボタンがあります。

5) 8メガピクセル背面カメラ

6) GPS/BDS

7) 3500 mAhリチウムイオンバッテリ

8) 寸法 124.5 x 56.5 x 26 mm

9) 重量 216g (バッテリを含む)

10) SIMロックフリー

11) 筐体の材質はプラスチック

12) デュアルSIMカード デュアルスタンバイ (但し1つはマイクロSIM;もう1つは標準SIM)

13) アンドロイド 7.1.1 (通話機能ありのSIMならば通話できますがVoLTEには非対応です)

14) micro SDカードは最大32GBまで使用可能

15) スクリーンサイズは2.4インチQVGA(320 x 240)静電容量式タッチスクリーン

16) 3.5 mmΦイヤホンジャックありと書かれてましたが小生のところへ届いた個体にはありませんでした。スピーカーマイク用の端子はモトローラM6インタフェースだと書いているF25もありましたが、小生のところへ届いた個体はM6よりも小さいやつ(GP328plus型というやつ)でした。

17) 対応バンド
   2G: GSM 850/900/1800/1900 MHz;
   3G: WCDMA 850/1900/2100 MHz, TD-SCDMA b34/39
   4G: FDD-LTE: B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B17/B20; TDD-LTE: B38/39/40/41
小生は最初マイネオのDプラン(docomo回線使用)SIMを入れてみたのでB1B3で使えていたと思います。その後LINEMOのSIMに入れ替えたのでB1B3B8で使えています。F25だけでなくF30SW6もそうなのですが、B18B19をサポートしているPoC端末を現時点まででは未だ見つけることができていませんので、プラチナバンド対応という面ではSoftBank系SIMがいいのかもしれませんが、エリアの実力という面ではdocomo系SIMなのかもしれません。ちなみに小生の移動範囲内ではB1がヨワヨワなのでau系SIMは使えそうにありませんから試していません。

18) USBケーブル1本, USB充電器1つ, ベルトクリップ1つ, 取扱説明書


写真1 起動画面

標準SIMソケットとマイクロSIMソケットの間にmicroSDカードソケットがあります。

写真2 SIM及びmicroSDカードスロット


写真3 3500mAhポリマー電池

小生が入手した個体は、AliExpressで2022-04-01に注文して2022-04-25に届いたもので、送料込み割引後の価格が¥10,084というものです。

小計            ¥11,477
送料              無料
ストアクーポン        -¥374
コイン             -¥102
買って&お得        -¥917
合計            ¥10,084

勝手に派生したのかもしれない、いろんな名前の酷似した機種F25の紹介はYouTube動画にもありました。

・ ALPS F25(SURE F25, Broadnet BN-01+, GQT F25及びZELLO Phone 2とも)

Unboxing F25 Zello POC Radio Walkie Talkie Deutsch

・ Externes Mikrophon für das POC F25 PTT Zello Walkie Talkie

YouTube動画を拝見すると、業務用PoCサービスを利用するためにF25にインストールしておくクライアントアプリがあって、そのアプリがF25のSOSボタン、PTTボタン、カメラボタン、ロータリーノブの機能のカスタマイズをを一手に引き受け担うのだろうと想像します。

もしかしてカスタマイズの部分だけでも使わせてもらえないだろうかと考えてインストールを試みました。上記の動画に見られる Broadnet PTT アプリ(名前が少し変わった模様)がPlayにあったのでインストールを始めてみたところ、中国語らしき言語でいろいろ注意書きらしきことが現れて最後に了承ボタンを押すらしい場面になりました。しかし、了承するボタンを押すには、内容が分からないので、残念ですがそのままアンインストール直行となりました。

サードパーティー製のAndroidアプリの中に、Android端末のボタンやダイヤルノブの機能をカスタマイズするやつがあるのではなかろうかとGoogle検索で探してみました。すぐに見つかったので最初にヒットした Button Mapper というアプリをインストールしました。無料版ではボタンのカスタマイズ機能が使えないので¥390でPro版にしました。ボタン及びダイヤルノブ機能のカスタマイズに Button Mapper が一番いいのかどうかは未だ調べてません。

ダイヤルノブはこのAndroid Smart Phoneの音量調整用として最初から働きました。カメラボタンはこのAndroid Smart Phoneのカメラを起動するボタンとして最初から働きました。数字キーと画面との間にあるオレンジ色のボタンはこのAndroid Smart Phoneのシャッターボタンとして最初から働きました。

Button Mapper Pro を利用して、F25 端末のボタン及びダイヤルノブのキーコードを調べてみました。

テンキーパッドのキーコードは次の通りです。
0(7), 1(8), 2(9), 3(10), 4(11), 5(12), 6(13), 7(14), 8(15), 9(16), *(17), #(18)

センターボタン及び上下左右矢印ボタンのキーコードは次の通りです。
↑上矢印ボタン DPAD_UP(19)
↓下矢印ボタン DPAD_DOWN(20)
←左矢印ボタン DPAD_LEFT(21)
→右矢印ボタン DPAD_RIGHT(22)
○センターボタン DPAD_CENTER(23)

センターボタンの左右にある4つのボタンのキーコードは次の通りです。
左上にあるマイナス(―)ボタン  MENU(82)
右上にあるマイナス(―)ボタン  BACK(4)
左下にある緑オフフックボタン  CALL(5)
右下にある赤オンフックボタン  変更不可

左側面にあるボタンのキーコードは次の通りです。
カメラボタン    変更不可
PTTボタン  DPAD_UP_LEFT(266)
SOSボタン  TV_DATA_SERVICE(299)
ダイヤルノブを左へまわす  VOLUME_DOWN(25)
ダイヤルノブを右へまわす  VOLUME_UP(24)

一般的なAndroidスマホでは、画面の一番下に [<] [○] [□] ボタンが常時出ているので、いつでもアプリを切り替えたりホーム画面に飛んだり前の画面に戻ることができますが、写真4に示すとおり、F25 端末にはありません。

[<] [○] [□] ボタンは、それぞれ、[戻る][ホーム][タスク]です。

写真4

ホームボタンとタスクボタンの割り当て

F25 端末のキーパッド領域にある右上のマイナス(―)ボタンが[戻る]ボタンですから、あとは[ホーム]ボタンと[タスク]ボタンをどこかに割り当ててやりたいわけです。Button Mapper Pro を利用して、左上のマイナス(―)ボタンにそれら機能を割り当てることにしました。

1回押し(ワンタップ):ホーム

2回押し(ダブルタップ):タスク

マナーボタンとスクリーンショットボタンの割り当て

Bottun Mapper Proで SOSボタンに割り当てます。

1回押し(ワンタップ):Mute ON/OFF

2回押し(ダブルタップ):何もしない

長押し:スクリーンショット

ランチャー

F25には最初からGoogle Playがあるので、Play Storeからアプリをダウンロードしてインストールすることができます。写真5に示すとおり、Zello、EchoLink、ピーナッツをインストールしてみました。ちなみに写真5の画面の一番上を見るとわかるとおり、左から、Zelloの稼働状況、無音カメラ(MuteAll)活性化状況、WiFi接続状況、SIMカード未挿入、機内モード、電池残量、時刻です。


写真5

ランチャー画面にアイコンが4つというのが寂しくなったので別のランチャーをインストールしました。Jason Kung作の「ランチャー<3」というGoogleのAOSPプロジェクトに基づいて開発された無料のやつです。写真6参照。


写真6

Googleコンタクト及びスケジュール使えません

F25はGoogleコンタクトやGoogleスケジュールと同期できません。これは結構致命的な欠陥ではなかろうかと思います。プリインストールされているコンタクトアプリやカレンダアプリがダメなのかと思って最新版をPlayストアからダウンロードインストールしてもダメでした。F25単独での利用を前提に連絡先を手入力するか、ファイルとしてインポートして連絡先アプリへ入れて使うことはできるかもしれません。

なぜかFont Managerが停止するエラーがうざい

F25に電源を入れるとAndroid OSが起動したあと”「Font Manager」が終了しました”というエラーが必ず何回か現れます。写真7参照。


写真7

スピーカーマイクのインタフェース

スピーカーマイクのインタフェース(モトローラが決めた仕様なのかしらん?)は、GP328plus という名前で呼ばれているようです。GP328plusはGP328ととても似てますが小ぶりです。F25端末のスピーカーマイクインタフェースはM6型コネクタだと紹介されていることがありますが、M6型のやつを注文するとGP328のやつが届きましたから、どうも何かが違うんじゃないかという気がします。GP328がM6でGP328plusはM5だという説もあるみたいですがよくわかりません。

写真8

 

写真9

PoCアプリの使い勝手

EchoLink, DroidStar, Peanut, Zello F25で動かしているときにハードウェア PTT ボタンで送信状態にするという使い勝手にしようと思います。そしてハードウェア PTT ボタンはトグルにすることにしました。各アプリをインストールしただけでそうなってくれればいいんですが、そうは問屋が卸しませんでした。

Button remapper

当初ハードウェア PTT ボタンをトグルにする予定では無かったのですが、なぜか分かりませんが、F25 では Buttons remapper で ACTIVE ACTION の Emulate screen hold を作ることができないため仕方なくトグルにしています。トグルにしておいた方が話をしている途中で意図せず指が緩んでPTTボタンから離れてしまうのを防げるという良い面もありますから、一言二言毎に声を交わすのではないのならトグルの方がいいのかもしれません。

幸いなことに、EchoLink、DroidStar、PeanutのソフトウェアPTTボタン領域の画面上での座標に共通する領域があったので、Buttons remapper アプリの ACTIVE ACTION (Emulate screen tap) をひとつ作るだけで済みました。図1に設定の完了した画面の様子を示します。

図1

処理の対象にするアプリを指定するのが図1の真ん中辺に見えるManage apps filtersの設定です。図2はDroidStarとEchoLinkとPeanutを指定したところを示しています。

 

図2

ACTIVE ACTION (Emulate screen tap) をひとつ作っているところを図3に示します。

 
 図3

Emulate screen tapのパラメタSelect an optionの選択肢にはEnter coordinates manuallyを選び値は (X:48, Y:290) を指定しました。図4に示すスクリーンショットの左下にある小さな赤丸が指定した座標です。

図4

EchoLink

座標をEchoLinkのソフトウェアPTTボタンと重ねてみますと図5の通りです。


図5
F25のハードウェアPTTボタンが押されたとき、Buttons remapper の働きによって、図5に示すとおりEchoLinkアプリのTRANSMITソフトウェアボタンの上をtapしたことにしてくれるわけです。

以上がButtons remapper の設定でした。

EchoLinkアプリのPTTボタンの設定を図5に示す通りでOPTIONSセクションにあります。

図5

PTT Key Toggle だけチェックを入れます。ちなみに、図5をみればEchoLinkにはアプリ側にPTTボタンを処理する能力があることが分かると思いますが、あえてButtons remapper にその役目を担わせています。

図5

DroidStar

図4に示す通り、Emulate screen tapのパラメタSelect an optionの選択肢にはEnter coordinates manually (X:48, Y:290) です。図4のスクリーンショット左下にある小さな赤丸が指定した座標です。座標をDroidStarのソフトウェアPTTボタンと重ねてみますと図6の通りです。ちゃんとTXボタンにかかっています。

図6

DroidStarアプリのPTTボタンをトグルに設定するオプションを図7に示します。Enable TX toggle modeにチェックを入れてやることで実現できます。

 図7

Peanut

PeanutアプリのPTTボタンをトグルに設定するオプションを図7に示します。Hold to talkのチェックを外してやること及びDELETE KEYでハードウェアPTTボタンを使わないことにしてNo key learnedという状態にすることで実現できます。設定したら「設定保存」ボタンを押しておかないと有効になりませんのでお忘れなく。図8参照。

 
図8

図4のスクリーンショットで左下にある小さな赤丸が示す座標は (X:48, Y:290) ですが、図9をみると分かる通りPeanutのソフトウェアPTTボタンの領域にもちゃんとかかります。

 
 図9

Zello

Zelloアプリにはアプリ自身でハードウェアPTTボタンを制御する能力があります。その能力はEchoLinkやDroidStarよりも強力です。Zelloの画面を図10に示します。

図10

ZelloのPTT設定を図11に示します。


 図11

ZelloのPTT設定を選ぶと図12のとおりPTTボタンの設定についての詳細が現れます。Hardware buttonアイテムが無いときに画面右下にある青い+ボタンを押して作ります。


  図12

ハードウェアPTTボタンの動作をトグル型にするには「1度押して話し、もう1度押して」に設定します。図13参照。

図13

図14にみえる「バックグラウンド時もヘッドセットのキーによる操作を有効にする」はチェックを外しておきます。ここにチェックを入れますと、画面にはランチャーを含めて何か別のアプリが起動した状態即ちZelloがバックグラウンドになっている状態であっても、ハードウェアPTTボタンが押されるとZelloがそれを処理しにやってきます。


図14
 

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